さらに新たな展開を辿る!進撃の巨人FinalSeasonを見る前に押さえたいアニメSeason2ストーリー① (26~31話)

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ついにSeason2に突入!
Season1からまだ回収していない伏線と謎をはらんだまま、さらに次の謎が…うーむ、奥深い。
(1話~5話はこちら、6話から10話はこちら、11話から15話はこちら、16話から20話はこちら、21話から25話はこちら)
Season2に入って、メインキャラ達にもそれぞれさらに過酷な運命が用意されている26話から31話の展開を早速ご覧ください!

(注:本記事はアニメ進撃の巨人Season1第26話から31話までのネタバレを含みます。)

第26話『獣の巨人』

硬質化した女型の巨人、アニ・レオンハートを地下深くに幽閉する作業の指揮を取っていた調査兵団分隊長のハンジ・ゾエは、兵士たちが壁を指さして騒然としているのを確認し、急いで壁の近くに駆けつけます。
すると、女型の巨人が壁につけた傷の一部剥がれ落ち、中から巨人の顔がのぞいていました。
目がぎょろりと動き、巨人が生きていることがうかがえます。
驚きとともに固まるハンジ。側近のモブリットは指示を仰ぎますが、ハンジにはある恐ろしい疑問が頭に思い浮かび、即答ができません。
「あれは、たまたまそこだけにいたの?…それとも…もしそうじゃなきゃ…」
その時、ウォール教のニック司祭が、息を切らしながら、鬼気迫る表情でハンジの肩を掴みました。
「当てるな。あの巨人に、日光を当てるな!」

進撃の巨人


ひとまず、応急的に壁の巨人に継ぎ接ぎのシートを被せ、その様子をすぐ真上の壁の上で確認するニック司祭とハンジ達。
「なぜ、巨人が壁の中にいるんですか?そして、なぜ、あなた達はそれを黙っていたんですか?」
ハンジは静かに訊ねますが、ニック司祭は巨人捕獲作戦で受けた教会の被害の抗議に話をすり替え、ハンジの質問には答えようとはしません。
下に降ろせと言うニック司祭に、ハンジは「いいですよ。」と胸ぐらを掴み、司祭の身体を壁から突き出します。
「ここからでいいですか?」
モブリットはハンジを止めようとしますが、ハンジの怒りは消えません。
…兵士たちはみんな、真実を求めて自由を求めて死んでいった。
人類が知らない真実を、知っていて言わなかった者達が壁の中にいる…
「いいか、お願いはしてない。命令した。話せと。
そしてお前が無理なら次だ。
なんにせよ、お前1人の命では足りないと思っている。」
胸ぐらを掴んだ手を、さらに宙に突き出すハンジ。
「手を、離せ。」とニック司祭。
「今、離していいか?」
「今だ。」
「わかった、死んでもらおう。」
「私を殺して学ぶがいい、我々は必ず使命を全うする、だから今この手を離せーッ!」
ニック司祭の意思は強く、今、ここで真実を聞き出すことはできないと判断したハンジは、ニック司祭を壁上に投げ戻します。
「はは、ウソウソ、冗談。」
50メートルの壁の端に座り、ハンジは町を見下ろします。
「ねぇ、ニック司祭、壁って全部、巨人でできてるの?
…こんなの、初めて壁の外に出て以来の感覚だ。怖いな。」
その時、町に早馬が走り込み、エルヴィン団長に伝令が来ます。
「ウォールローゼに、巨人が‼︎」


話は12時間前へ。
ウォールローゼ南区では、女型の巨人捕獲作戦に携わっていたエレン・ミカサ・アルミン・ジャン以外の104期生が、上官達から訓練はしないよう命令を受けて、私服で室内でのんびりと待機していました。
コニーとサシャは故郷が近くにありますが、帰省は許されていません。
夜に抜け出そうかと呟くコニーに、ライナーが協力すると言います。
ライナーは、自分たちは私服で待機なのに対して、上官達は皆完全装備でいるのはおかしいと考えています。
…前線でもない壁の内側で、何と戦うってんだ。

突然、耳の良いサシャが足音のような地鳴りが聞こえると言い出し、同じ頃、外でも鼻のきくミケ分隊長が巨人の襲来を確認、早馬を4騎、各区に出し知らせます。
「おそらく104期の中に巨人はいなかった。ウォールローゼは突破された!」
上官のナナバが104期生に命令します。
「南方より巨人が多数接近、着替えさせる暇はない。直ちに馬に乗り、手分けして付近の村の住民達に知らせろ!」
ウォールローゼが突破されたことに、人類が負けたとショックを受けるナナバ。
しかし、ミケは「人は戦うことをやめた時に初めて敗北する。戦い続けている限りは、まだ負けていない。」とナナバを鼓舞します。

進撃の巨人

兵士たちは馬で駆け出し、4方向に分かれて情報を拡散することに。
うち北側は故郷があるサシャが案内を引き受けます。
コニーの故郷は巨人がやってきた方向である南側にあり、コニーは近くの村を案内した後、故郷に帰らせて欲しいと頼みます。
ミケは即座に了解し、ライナーとベルトルトがコニーとともに南側班につきます。
皆が4方向に離散した直後、巨人達の動きが突然速くなり、1番危険と思われる南班についていたミケは、あとを配下のゲルガーに任せ、単身囮となって巨人を兵士たちから遠ざけます。

ウォールローゼが突破された知らせは、ウォールシーナ内にいるエレン達の耳にも入ります。
先の壁外調査で負傷して休養中のリヴァイも「行くしかないだろう。」と出動を決めます。
104期の監視にミケ分隊長が当たっていて良かったと側近が言い、「ああ、だといいが。」とエルヴィン団長。
その頃、ミケ分隊長は巨人5体を倒し、残り4体を建物の屋根の上から確認しながらも、時間稼ぎには充分と、早々にその場を立ち去り他の班に合流するつもりでいました。
放していた馬を口笛で呼び寄せるミケ。
しかし、4体とは別に近くをうろつく7メートル以上もある大型の奇行種が気にかかります。
今まで見たどの巨人とも違う、獣のような体毛で全身が覆われ、猿に似た巨人でした。
呼び寄せた馬が戻ってくるのが見え、夜まで待たずに済むと安心したのも束の間、馬が獣のような巨人の横をすり抜けようとした時、巨人は馬を掴みあげ、そのままミケに向かって投げつけてきました。
馬の直撃を受け宙に舞って落ちるミケを、近くにいた巨人が掴み、そのまま口に入れて噛みます。
痛みに苦しみ叫ぶミケ。
その直後、どこからか「待て。」と言う声が。
ミケが見上げると、そこにはしゃがみこんでこちらを見ている獣の巨人がいました。
ミケを咥える巨人がもう一度歯をおろし、ミケは再び痛みに顔を歪めます。
「え?俺今、待てって言ったろう。」
今度は獣の口が動くのをはっきりと見たミケ。
獣はミケを咥えていた巨人を掴み握り潰し、ミケは地面に放り出され放心して獣を見つめます。
「その武器はなんて言うんですか?腰につけた飛び回るやつ。」
ミケは応えることができません。
「同じ言語のはずなんだが…怯えてそれどころじゃないのか。
つうか、剣とか使ってんのか。
やっぱ、うなじにいるってことは知ってんだね。
まあ、いいや。持って帰れば。」
大きな腕が伸びて、長い指がミケの立体機動装置を器用につまみ上げます。
ミケは恐怖に、思わず頭を抱えてうずくまりました。
しかし、そのまま立ち去ろうとする足音を聞きながら、ミケは剣を拾い握りしめます。
…人は戦うことをやめた時に初めて敗北する
戦い続けている限りは、まだ負けていない…
ミケの雄叫びを聞いてか、獣は振り返り、残り3体の巨人に声をかけます。
「もう、動いていいよ。」
3体の巨人に囲まれ絶体絶命のミケは、恐怖に固まり、無惨に巨人達の餌食になります。
「やっぱ、しゃべれるじゃん。
しっかし、面白いこと考えるなあ。」
獣の巨人は立体機動装置を手に、ミケの断末魔と背後の惨劇には全く興味なさそうに去っていきました。

第27話『ただいま』

ウォールローゼ突破の知らせを受け、ウォールシーナにいた調査兵団達は急いで編隊を組んで目的地に向かいます。
エレン・ミカサ・アルミンは同じ馬車に乗り、リヴァイ・ハンジ、それにニック司祭も同乗します。
壁の巨人ついて、アルミンはハンジと同様の仮説を想定します。
つまり、すべての壁は巨人の硬質化によってできている。
人類は巨人によって巨人に守られていたと。
ニック司祭を含むウォール教はそれを知っていて、今までずっと黙っていた。
ニック司祭は、壁を破られた現地の状態を見て、今後の動向を己に問うために一緒に馬車に乗り込んだのでした。

ウォールローゼ突破の知らせを北の集落に知らせる為に馬を走らせるサシャ達。
1人ずつが各集落を周り、1人になったサシャが最後に行くのはサシャの故郷です。
サシャは、3年前に別れて以来、1度も会っていない父のとのやりとりを思い出します。

冬の備蓄に手を付けようとするサシャを、父が止めています。
何が何でも諦めずに食らいつくサシャに、止めても無駄と父は諦めます。
「サシャ、お前はこの世界がどうなってるか考えたことはあるんか?」
父は森が減って獲物が少なくなっていることに考えを巡らせています。
「よそもんが来て、森や獲物を横取りするからやし…」
「けどな、そん人たちも、住処を奪われ、仕方無くここに流れてきとる。」
「奪われたんがわりぃ。早よ出ていけばいいんに。」
「奪ったんは巨人ぞ。他に行き場があるんか?」
ウォールマリアが陥落して、被災者がサシャの故郷にも流れ着き、人の住んでいなかった場所を切り開いて暮らし始めています。
サシャは、よそ者が自分達の暮らしを変えていくのが許せず、父は、皆が生き残る道を考えているのでした。
王政から対価の代わりに馬の育成を打診されていて、父は狩猟という先祖代々受け継いだ生業を捨てようとしていました。
サシャはそれに反対します。自分達を馬鹿にしている王政の言うことを聞いて、よそ者が生きるために自分たちの生き方を捨てるのが納得できません。
「我々は世界に生かしてもらっとるからなあ。」
違う生き方をしてきた者同士でも、限られた環境の中では同じ群れに入って人と関わって生きていかねばならないと父は考えます。
「伝統を捨ててでも一族とともに未来を生きたいと思うとる。
世界が繋がってることを受け入れなければならん。
サシャ、この森を出て他者と向き合うことは、お前にとってそんなに難しいことなんか?」

父は異変に気づいて逃げているはず。
そう思いながら馬を走らせるサシャの前に、巨人の大きな足跡が見えます。
そんな!もうこんなに奥まで巨人が!
…ここはもう、人が住める土地じゃない。
思った瞬間、道が開け、サシャの前には新しい村が広がります。

跳ね橋を超えて、村に入るサシャ。
村には人影がないようでしたが、一軒の家からただならぬ雰囲気が漂っています。
中では幼い女の子が奥に座り込んでいて、手前ではその母親が、生きたまま巨人に足を食われているところでした。
静かな家の中で、巨人が肉を咀嚼する音だけが聞こえます。
喰われてる人に気づき、サシャは斧を持って巨人のうなじに攻撃しますが、何度打ち下ろしても、巨人の傷はたちどころに塞がってしまいます。
何度も振り下ろしているうちに、手が滑って、斧は天井の張りに刺さってしまいました。
その時、ようやく奥の女の子に気づいたサシャは、食われている母親を諦めます。
「ごめん…なさい」
食べるのに夢中な巨人の横を通り抜け、子どもの手を引いて、家の扉を抜けることには成功しました。
しかし、馬に乗って立ち去ろうとしますが、怯えて興奮した馬は目を離した隙にどこかへ逃げてしまいます。
「大丈夫ですよ。」「心配ありません。ちょっと待っててくださいよ。」
小さい子ども相手に敬語でしゃべるサシャ。
「なんでそんなしゃべり方なの?」女の子が訊ねます。
その質問に答える間もなく、サシャと女の子に気づいた巨人が、家から出てきて2人のいる方に向かってくるのが見え、サシャは女の子の手を握って走り出します。途中、目に入った弓矢を持って。
「大丈夫ですから!」
「なんで?もうみんな逃げちゃったよ。村の人、母さんが足が悪いの知ってた。でも、誰も助けてくれない。私もただみてた。」
女の子を抱えて跳ね橋を渡らせ、自分もよじ登るサシャ。
追いかけてきた巨人も、跳ね橋を登ります。
「大丈夫ですからね。大丈夫です。」

訓練兵の頃、サシャはユミルに「なんで同期にも敬語なんだよ!」と難癖を付けられました。
故郷の訛りが恥ずかしいんだろうと図星を突かれぐうの音も出ません。
「お前はずっと人の目を気にして、作った自分で生きてくつもりかよ。
そんなのはくだらないね。
いいじゃねぇか、お前はお前で。
お前の言葉で話せよ!!」とユミル。
「人に言われて、話し方変える必要ないよ!
これがサシャが決めたサシャなんだから。
今だってありのままの言葉でしょ?
私はそれが好きだよ。」とクリスタ。
…なんで、こんな時に思い出すのはとるに足らないいつもの日常。
そんな思い出ばっかり…

女の子の手を引きながらサシャは言います。
「ねえ、聞いて、大丈夫だからこの道を走って。
弱くてもいいから、あなたを助けてくれる人は必ずいる。
すぐには会えないかもしれないけど、それでも会えるまで走って。」
…さあ、行って!!」
女の子の手を離して振り返り、サシャはすぐ近くに迫った巨人と対峙します。
女の子は黙って、弓を引くサシャを見ています。
「走らんかいッ!!」

進撃の巨人


力強いサシャの言葉に、女の子は我に返り、きびすを返して一目散に走り出します。
それを確認して、サシャは矢を射ります。
握ってきた矢は4本。
最初の矢は喉に命中しますが、巨人はものともしていません。
両目を潰せば、格段に時間を稼げる。
次の矢は、外してしまいます。
あと2本。落ち着け、あの獲物は大きくて、動きがのろい
矢は左目に命中!
あと1本。これを外せば逃げられない。
外したら私とあの子が…
サシャは弓を投げ捨て、矢を右手に握って直接巨人の目を狙います。
確実に突き刺すことには成功しましたが、サシャは巨人にベアハッグされ、抜け出せない状況に。
しかし、返り血のおかげで滑り落ち、サシャはそのまま走りながら女の子を探します。
馬の駆ける音がし、振り返るとそこにいたのは女の子を連れた父でした。
サシャの父は、一帯の人々に逃走用の馬を与えて回っていたのでした。
途中、出会ったあの女の子がまだ人が残っていると教えたので、引き返してきたとのこと。
まさかそれが自分の娘サシャだったとは。
娘が人のために巨人と戦っていたと知って、父はサシャを「立派になったな。」と誉め認めました。
サシャは、一瞬ハッとして、嬉しそう言いました。「ただいま。」

「…誰か、…誰かいないか、…俺だ、コニーだ、帰ってきたぞ―ッ!」
故郷の村にたどりついたコニーは、無惨に破壊された村を目にして叫びます。
しかし、返事をする者は誰1人いません。
村の住民が1人としていないのです。
生きている者どころか、死体すらありません。
祈るように自分の家に向かうコニー。
そこで見たものは、屋根を破壊して仰向けに横たわる巨人でした。
巨人は手足が非常に細く、自力ではとても動けそうに無い状態です。
「じゃあ、コイツ、どうやってここまで来たんだ!?」

第28話『南西へ』

自分の家を破壊して屋根の上に横たわる巨人を、ただ立ち尽くして見つめるコニー。
ライナーが生存者はいたかと訊ねますが、「いない。いねえよ。もうおしまいだ。俺の故郷はどこにも無くなっちまった。」と涙を流します。
ゲルガーは血痕や遺体が一つも無いことが妙だといい、リーネは全員逃げたんだとコニーを安心させます。
ゲルガーは口には出しませんでしたが、巨人が無人の家を破壊したり、馬小屋に馬が残されていることも不自然だと感じていました。
ゲルガーの指揮で、壁の破壊箇所の特定に向かうことに決まり、みんなはコニーの故郷のラガコ村をあとにしようとします。
遅れて家の前から立ち去ろうとしたコニーは、巨人が「おかえり」と言う声を聞きます。
ハッとして振り返るコニー。
そこへライナーがやってきて、コニーを急かします。
「なんか、あいつが…あり得ないんだけど…何か、母ちゃんに…」
コニーの言葉を遮って、ライナーが叫びます。
「コニー!お前は今俺たちがどういう状況かわかってるのか!
戦士なら、今、最善を尽くせ!!」
「ああ、そうだ。その通りだ!」
コニーは故郷をあとにし、馬を走らせました。

西方向に向かったナナバ班にはユミルとクリスタがいました。
いち早く、各村に知らせを送り住民の避難をうながしたナナバ班は、このまま壁に沿って西から南下し、壁の穴の位置を確認することにします。
ユミルは装備の無い自分とクリスタを任務から外してもらえるよう交渉しますが、ナナバはそれを許可しませんでした。
クリスタはユミルが自分のを守るために動いているのではないかと聞きますが、ユミルはそれを否定します。
「私の生まれた家と関係ある?」
「ああ、ある。クリスタ、安心してくれよ。私がここにいるのはすべて自分のためなんだ。」
「そうか。よかった。」

巨人出現から9時間後、東防衛線では駐屯兵団精鋭部隊が巨人を討伐しています。
作戦は思いのほか順調に進んでいますが、しかし、リコは何か漠然とした違和感を感じています。
駐屯兵団先遣隊隊長のハンネスは、壁に沿って進みながら破壊箇所を確認していますが、一度も巨人に出会いません。
巨人の出現場所から察するに、穴にはかなり近づいたはずなのに…おかしい…。

巨人出現から11時間後、ゲルガーが率いる調査兵団南班は壁に沿って南から西に向かっていましたが、暗くなっても壁の破壊箇所に辿りつくことができません。
いつ暗闇から巨人が現れるか…緊張の中、前方からたいまつの火が揺れるのが見え、西班のナナバ達と遭遇しました。
お互い、どこにも壁の穴を確認できなかった2班。
その時ちょうど月が出て、月明かりの中で古い城跡を見つけた2班は、ひと晩そこで過ごすことにします。

進撃の巨人

一方、馬車の上では、リヴァイはハンジが手に持っている石について訊ねます。
ハンジはそれは女型が残した皮膚の破片だといい、アルミンはそれが巨人の中身の本体と離れても消滅していないことに驚きを隠せません。
壁の破片と見比べると、模様の配列や構造までがよく似ていたとハンジ。
つまり、壁は硬化した巨人の皮膚で形成されている。
それは、巨人化したエレンが高質化する巨人の能力を使うことができれば、ウォールローゼの壁を修復できるということです。
だとしたら、ウォールマリアの奪還も実現化が明るくなります。
従来なら大量の資材を運ぶ必要があったので、補給地点も設けなければならなかったのが、それが必要なくなるとすると、最速でシガンシナ区まで行けることになる。
それをさらに夜に行うとなると、巨人の心配をしなくて良い分、いっきにウォールマリアまで向かえることになる。
アルミンの構想がどんどん広がります。
しかし、それもエレンが硬質化できてこそ。
「それって、できそう?」
ハンジの質問に即答できないエレンにリヴァイ兵長が命令します。
「できそうかどうかじゃねぇだろ。
やれ!やるしか無いだろ!必ず成功させろ!」
「はい!俺が必ず成功させます!!」

一行はウォールシーナ内のエルミハ区に到着。
町はウォールローゼから避難してきた人で溢れています。
誰もが住処を失い、絶望の表情で。
ショックを受け、暗い表情のニック司祭。
ハンジはニック司祭に話す気になったかと聞きますが、ニックは何も話せない。と答えます。
怒りをあらわにするハンジに向かい、ニックは続けます。
…それは、自分で決めるにはあまりにも大きなことだからだ。
我々は話せない。
だが、その大いなる意思により監視するよう命じられた人物の名なら教えることができる。
その人物は今年調査兵団に入団したと聞いた。
その子の名は…

104期だとすると、今は最前線いるんじゃ?とハンジ。
そこへ事後報告のためにいち早く帰還したサシャが、上官からのハンジ分隊長宛の書類を持って現れます。

その頃、ウトガルド城にいるゲルガー班とナナバ班は、夜というのに城の周りに群がる巨人の姿に驚いていました。
日没からずいぶん時間が経っているのに、巨人達は動き回っています。
遠くには獣の巨人が不気味に歩いています。

エルミハ区の一行は早急にウォールローゼに向かおうとしています。
ここから別行動のために皆と離れるリヴァイが、新兵3人に言葉を残します。
アルミン、お前は今後もハンジと知恵を絞れ。
ミカサ、お前の能力のすべてをエレンを守ることに使え。
エレン、お前は自分を抑制しろ。怒りに溺れて本質を見失うな。
今度こそしくじるなよ。

ウォールローゼに馬を走らせながら、ハンジは壁を見渡せそうなウトガルド城を目指すことに決めます。

第29話『兵士』

ウトガルド城にたどりついた南班と西班は、城内を最近まで誰かが使っていたあとを見つけます。
酒好きのゲルガーが酒の瓶を見つけますが、ラベルの文字は読めません。
リーネに釘を刺され、それを飲むことはできませんでした。
戦闘装備をしていない新兵は休むことを許され、見張りは交代でベテラン兵達4人が行います。
壁が壊されたにしては巨人の数が少ないことを、皆が不思議に思っているようです。
ユミルがコニーに故郷の様子を訊ね、コニーは「壊滅した。」と答えます。
「でも、誰も食われてない。」
遺体一つ、血痕一つも無いということは、全員が無事に逃げたということだと言うコニー。
「ただ、ずっと気になっているのが俺の家にいた巨人だ。
…そいつがなんだか、俺の母ちゃんに似てたんだ…」
ライナーがコニーの話を遮ろうとしたとき、ユミルが声を上げます。
「ばっかじゃねーの!!
お前の母ちゃん、巨人だったのかよ、コニー!
じゃあ、なんでお前はチビなんだよ!?」
大声で笑いながら、さらに野卑な冗談を続けるユミル。
コニーは何だかバカらしくなってしまい、「うるせぇ!クソ女、もう寝ろ!!」と話を終了させます。

夜はいよいよ更け、ユミルは城内の備蓄をあさり、食料を探しています。
そこへライナーがやってきて、コニーの村の話をユミルがわざとはぐらかしたと察し、コニーが家族のことで余計な心配をしないように、今後もその調子で続けて欲しいと頼みます。
ユミルは「何の話しだ?」ととぼけます。
ちょうど、備蓄の木箱の中から缶詰を見つけたユミルは「これはいけそうだ。ニシンは好みじゃ無いが」とライナーに見せます。
ライナーは缶詰を手にとって、はたと気づきます。
「何だ、この文字は?俺には読めない。
お前、よくこの文字が読めたな、ユミル、お前…」
その時、見張りをしていたリーネが駆け込んできました。
「全員、起きろ!!屋上に来てくれ!すぐにだ!!」

屋上に上がったみんなは、夜というのに城の周りに群がる巨人の姿を見て愕然としました。
戦闘装備をしたベテラン兵4人が、果敢に巨人達に挑みます。
しかし、リーネは扉が壊されていることを確認、屋上の新兵達に巨人が中に入っていることを伝え、急いで中に戻りバリケードを作るよう命令し、もし防げなかったら屋上に逃げるように告げます。
「それも必ず助けてやれるってことじゃないからね。
私たちも生きているかわからないから…でも、やることはいつもと同じさ。
生きてるうちに最善を尽くせ!いいね!!」
「了解ッ!!」

屋上から城の内部に走る104期生達。
ライナーはその中でも一番に危険に飛び込んでいきます。
皆にバリケードになる板や棒を集めるように指示し、自分は急いで階下を確認します。
ライナーが階下の扉を開くと、そこにはすぐ目の前ににやりと笑う巨人が…すぐに扉を閉め、かんぬきを下ろすライナー。
「ここだ!何でもいいからもってこい!!」
背中で扉を押さえるライナーでしたが、巨人は木製の扉をいともたやすく破ります。
―ここか?ここなのか?俺の最後は
巨人の手が伸びて迫る中、ライナーの頭の中に幼い頃のできごとが蘇ります。
伸びてくる巨人の手から、ライナーをはじき倒して代わりに食われた仲間の姿。
それを恐れおののいて見ているライナーとベルトルト。
―いや、ちがうだろ。ここじゃあねぇだろ
巨人の手を、すんでのところですり抜け倒れるライナー。
―絶対に帰るんだ
「ライナーッ!」
ベルトルトがピッチフォークを持って現れ、巨人の目に突き刺します。
ライナーもそれに加勢します。
「ライナー、無事か?」
「ああ、ベルトルト、生き延びて帰るぞ!俺たちの故郷に」
「ああ、帰ろう!!」
そこへユミルとクリスタ、コニーが砲台を押して現れます。
「おい…それ…火薬は?砲弾は?」
「そんなもんねぇよ。これごとくれてやる!そこをどけ!!」
砲台を押す3人。
砲台は階段をうまく転がり降り、巨人を直撃します。
「うまくいったみてぇだな。奇跡的に。」
「あれは起き上がれないだろう。」
「とりあえず、上の階まで後退しよう。入ってきたのが1体だけとは限らないし…」
階段を上がるクリスタが振り向いたとき、扉から入ってきた巨人がすぐ近くにいたコニーに向かい、口を大きく開けてまさに襲おうとしるところでした。
「コニー!!」

振り返るコニーを、ライナーが前に倒し、同時に巨人の顔を横から押して、コニーから遠ざけました。
しかし、巨人は顔を戻してライナーの腕に噛みつきます。
「ライナーッ!!」
駆け寄ろうとするクリスタをユミルが押し止めます。
ライナーは巨人に腕を噛みつかれたまま、巨人を頭上に抱えて階段を上がり窓を目指します。
「まさか、そいつごと飛び降りる気か!?」
「それしかねぇだろ」
「待て!!」
ナイフを持ったコニーが、今にも飛び降りようとするライナーを止めて、巨人の顎の筋肉を切って口を開かせました。
口が開き、ライナーの手を離す巨人。
ユミルとベルトルトが巨人を窓から突き落とし、扉には厳重にバリケードを。

進撃の巨人

ライナーを介抱するクリスタは、瓶に入った酒を消毒代わりにライナーの腕にかけます。
骨折した腕に添え木をして包帯で固定しようとしますが、包帯の代りになるようなものがありません。
「そうだ!」と思いついたように、自分のスカートを裂くクリスタ。
それを横目で口を開けたまま見ているライナー。
「こんな汚い布しか無くて、ごめん。」
「いや、助かる。(結婚しよう)」
「あのさ、クリスタ、私も手擦りむいちゃってさ、」とユミル。
コニーがすかさず「は?そんくらい唾付けとけ!」と返します。
「お前に助けられてばっかだな。そういやアニにも命はって助けられたよな、いつか借りを返さねぇと。」とコニーが言うと、ライナーは「べつに、そりゃ、ふつうのことだろ。兵士なんだからよ。」と言いました。
「なあ、ベルトルト、ライナーって昔からこうなのか?」
コニーがそうベルトルトに聞くと、ベルトルトはこう答えました。
「いや、昔のライナーは戦士だった。今は違う。」
「なんだよそりゃ、戦士って何のことだよ。」とライナー。
ユミルが窓から外を覗くと、かなりの数の巨人達がベテラン兵士達に倒されていました。

「何とかしのげそうだな。」
「新兵の様子を見てくる。」
リーネとヘニングが塔の屋上へ上がると、突然壁の方から岩が飛んできて、まずは馬が犠牲に。
続けてもう一度岩が飛んでくる音がし、今度はリーネとヘニングを直撃します。
「1体だけ壁の方に歩いて行った、あの獣巨人の仕業に…」
コニーが獣の巨人の方角に目をやると、巨人が、倒したものの倍以上の数で接近しているのが見えます。
ナナバとゲルガ―は決死の覚悟で巨人達と戦いますが、
無惨に命を落してしまいます。

このウトガルド城に残されたのは、もはや何の装備もしていない新兵5人だけ。
「私も戦いたい。何か武器があればいいのに。そしたら一緒に戦って死ねるのに。」
「クリスタ、おまえ、まだそんなこと言ってのかよ。彼らの死を利用するな。
あの上官達はお前の自殺の口実になるために死んだんじゃねぇよ。」
ユミルはクリスタに言います。
「いつも、どうやって死んだら褒めてもらえるのかばっかり考えてただろ?」
ユミルはコニーからナイフを借ります。
「何に使うんだよ。」
「そりゃ、これで戦うんだよ。」
そして、ユミルは塔の端にいるクリスタの前まで行きます。
「クリスタ、こんな話もう忘れたかもしれないけど、多分、これが最後になるから。
思い出してくれ。雪山の訓練の時にした約束を。
…お前の生き方に口出しする権利は私には無い。
だから、これはただの私の願望なんだがな、お前、胸張って生きろよ!」
クリスタから離れ、一歩一歩後ろに下がっていくユミル。
「約束だぞ、クリスタ。」
ユミルは勢いよく走り出し、止めようとするクリスタを越えて塔から飛びだします。
ユミルがコニーのナイフで自分の掌を切ると、閃光と共に巨人が姿を現しました。

進撃の巨人

第30話『ヒストリア』

悪天候の中、過酷な雪山訓練を終え、帰還した104期訓練兵達。
ホッとしていたエレンに、ライナーがクリスタとダズ、それにユミルの3人がいないと知らせます。
最後尾の班は誰も見ていないといい、ミカサが体調不良のダズにクリスタが付き添っていたと証言、 エレン達は3人が遭難したのだと慌てます。
しかし、教官は二次災害を恐れ、捜索隊は明朝に出すと判断しました。

吹雪の夜、カンテラの光を頼りに、クリスタはすでに意識のないダズをそりに乗せ、それを引きながら歩いています。
横で見ているユミルは、「ダズを置いて私たちは生き残るか、3人とも死ぬか、どっちにする?」とクリスタに迫ります。
クリスタは「私はこのまま麓の施設にたどり着きダズは助かる。もちろんユミルは先に行ってて助かる。」と言って譲りません。
ユミルは、華奢なクリスタがユミルに助けを求めないのは不自然だと思い、確信的に、ダズを助けるつもりはないだろ?とクリスタに言い放ちます。
ユミルは、クリスタが虫の息のダズを利用して、人を助けるために命落とした良い子のクリスタとして死のうとしていることに感づいていました。
「違う…私はそんなこと…私は…」
「お前だろ?命を狙われた妾の子ってのは…」
「何で…それを…」
ユミルはまだ訓練兵団に入る前、盗みなどを働きながら1人で生き抜いていた時に、たまたま入った教会で会話を聞いたのだと言いました。
「物騒な話だ。妾の子がえらいところの跡取りになっちまって、いっそ殺しちまえば全て解決すると話は転んだが、せめて名前を偽って慎ましく生きるなら見逃してくれてやろうと、そうやって、訓練兵に追いやられた少女がいる。」
ユミルは誰にも言うつもりもないし、情報を売ることもないと言います。
クリスタはどうしてユミルが訓練兵団に入団したのかと聞くと、ユミルは生い立ちが似てたからと答えます。
しかし、ユミルはクリスタと自分は違うと言います。
「偶然にも第2の人生を得たが、元の名前を偽ったりしてない。
ユミルとして生まれたことを否定したら負けなんだよ。
私はこの名前のまま、いかした人生を送ってやる。
それが私の人生の復讐なんだよ。
それに比べてお前は何だ!自殺なんかして、邪魔者扱いをした奴らを喜ばせたいのか!何で殺意が自分に向くんだよ。
その気合があれば、自分の運命だって変えられるんじゃねぇのか?」
「無理だよ。今だって、ここから3人とも助かる方法なんてないでしょ?」とクリスタ。
崖に向かって歩くユミル。
崖の下には基地が見えます。
崖からダズを落とし、運良く無事に落ちた上に、さらに運よく人に気づいてもらえれば、もしかしたら助かるかも…もうそれしか3人がたすかる方法はない。
「でも、落としたって死ぬだけだよ。」
「うるせぇ、わたしがやっとくから先行っとけ!」
クリスタを投げ飛ばすユミル。
クリスタは木にぶつかって倒れ、その上に木に積もっていた雪がどさっと落ち、クリスタの姿を隠しました。
ユミルがダズを連れてその場を去ったあと、閃光があたりを照らします。
雪からクリスタが這い出した時、そこにはもう2人の姿はありませんでした。

進撃の巨人

エレンは3人を捜索しようとしていました。
ミカサとアルミンも一緒です。
そこへ、ライナーとベルトルトが現れ、さらにコニー、サシャ、マルコも合流します。
8人が準備万端整えて出発しようとした時、外から大きな音がしました。
急いで外に出る8人。
「誰か来ますよ!」吹雪の向こうを指さしてサシャが叫びました。

クリスタはひとり歩いて山を降り、ようやく基地まで辿り着きます。
基地の前で座って待っていたのはユミルでした。
「遅かったな。先についちまったよ。
本当にバカやっちまった。」
「ダズは?」
ユミルの視線の先には、基地の窓から見える救助されたダズの姿がありました。
ロープなどない崖からどうやってダズを下ろしたのか問うクリスタ。
ユミルはクリスタの肩に手を乗せ言います。
「いいぞ、お前になら教えてやっても。
ただし、約束だ。
私がその秘密を明かした時、お前は元の名前を名乗って生きろ!」
暗闇から白々と夜が明け、眩しい日の光が、雪山の端を染め上げて2人を照らし始めます。

クリスタの止める声にも耳を貸さず、ウトガルド城の塔の上から飛び出すユミル。
コニーから借りたナイフで自らの掌を傷つけながら思います。
クリスタ、私もだ。自分なんて生まれてこなければよかったと思ってた。
ただ存在するだけで世界に憎まれたんだ。
私は大勢の人の幸せのために死んであげた。
でも、そのときに心から願ったことがある。
もし、生まれ変わることができたなら、自分のために生きたいと!」
閃光の中から現れる巨人化したユミル。

しかし、その巨人を見て、一際驚愕する2人がいました。
「あの巨人は‼︎」それはライナーとベルトルトでした。
2人がまだ幼い頃、ライナーを襲い、そしてそれを庇った男の子を食べた巨人、それがユミルだったのです。
クリスタにユミルが巨人だったと知っていたのか訊ねるライナー。
しらなかった。いつも近くにいたのに…
ユミル巨人は巨人にしては小さなタイプの巨人で、その分、素早く機敏に動きます。
丈夫なアゴを持ち、最初は巨人の群れを次々と倒していきますが、徐々に劣勢へと転じます。
危機を塔に登って回避しようとしますが、塔の古い外壁が崩れそうになると手を引いて巨人の群れに飲まれていきます。
崩れそうな塔から自分達を守って、命懸けで助けようとしていることに気づいたクリスタは、思わず塔の端に登って叫びます。
「ユミル、なにやってんだよバカ!
そんなにカッコよく死にたいのか!
いまさら、天国に行けるとでも思ってるのか!」
それは、まるでユミルが何度もクリスタに向かって言っていた言葉のようでした。
「自分のために生きろよ!もうこんなもん、ぶっ壊せ‼︎」
あまりの言葉に、コニーが慌ててクリスタを止めますが、クリスタの言葉を聞いたユミル巨人は、塔のレンガを次々と剥がして巨人達に投げつけます。
ついに傾き始める塔。
ユミル巨人は「生きたきゃ、つかまれ‼︎」といい、クリスタ、コニー、ライナー、ベルトルトはユミル巨人の髪につかまります。
巨人を崩壊する塔の下敷きにしてみんなを守ったユミル巨人でしたが、瓦礫から巨人が這いだしてきます。
「おいブス!早くとどめを刺せよ!」
コニーが叫び、ユミル巨人はまた巨人の群れの中に飛び込みます。
しかし、這いだした巨人の数が多く、ユミル巨人はつかまり、手足を引きちぎられて食いつくされそうになってしまいます。
そんな…待ってよ、ユミル…
クリスタは思わず、ユミルの方へ歩き出します。
「まだ、私の本当の名前、教えてないでしょ!」
クリスタの声を聞いて、目を開くユミル。
ユミルに駆け寄ろうと走るクリスタの前に、巨人の大きな顔が現れ…
「…待ってよ…まだ…」
「クリスタ、みんなも下がって!!」
あわや巨人に食われるかと思われたクリスタの前にミカサが現れ、あっという間に巨人を倒します。
「後は私たちに任せて。」
立体起動装置で空を駆けるように調査兵達がやってきて、次々と巨人を倒していきます。
「やった!討伐数1!!」
戦闘に加わらなくていいと言われていたエレンも、どさくさに紛れて巨人を倒して上官に叱られます。

調査兵団はあっという間に巨人をすべて倒し、104期達は呆然としてユミルを見ています。
ハンジとクリスタがユミルの元に駆けつけていますが、ユミルは片手片足を失っており、外からでも見てわかるように内臓も大きく損傷しています。
目を開けたユミルに、クリスタが涙を溜めながらニッコリ笑い話しかけます
「私の名前、ヒストリアっていうの。」
ユミルは満足そうに微笑み、目を静かに閉じました。

第31話『戦士』

ウトガルド城に群がる巨人達を一掃した調査兵団一行は、壁上まで退避します。
昏睡状態のユミルは、右の手足をちぎられ内臓はスクランブルエッグのようで、普通なら生きてはいられない状況でしたが、一命は取り留めたようすです。
片手を骨折しているライナーに、エレンが手を貸し、ようやく壁上に。
ヒストリア(元クリスタ)は、ユミルは人類の味方だとハンジに力説します。
ハンジはユミルの持つ情報は人類の宝だと言い、友好関係を築きたいと考えています。
「本名はヒストリア・レイスって言うんだって?」
「はい、そうです。」
「あの貴族の?」
「はい。」
「そう、よろしくね、ヒストリア。」

腕が痛む様子のライナーにエレンが気遣います。
「大丈夫か?ライナー」
「もう2回も死にかけた。自分で選んだ道だが、兵士をやるっていうのはどうも、身体より先に心が削られるみてぇだ。」
「ああ、お前ら2人の故郷も、遠のいちまうばかりだからな。」
そばにいたベルトルトが突然声を上げます。
「そうだよ!ライナー!帰ろう!故郷だ!!
今まで苦労してきたことに比べれば、あと少しのことだよ。」
「そうか、あともう一息のとこまで来ているんだったな。」とライナー。
「は?なに言ってんだ、お前ら。」

ちょうどその時、駐屯兵団先遣隊のハンネスが帰ってきて報告します。
「穴が、どこにも無い。」
…壁に穴が無いなら、巨人はどこからやってきたのか。
ハンジはひとまずトロスト区で待機を決めます。
アルミンは5年の間に無かったことが、急に今起こっていることに引っかかる様子です。
ハンジはモブリットに地下を掘る巨人がいたんだとしたら…と話しています。
皆が壁上を進む中、「話がある」とライナーがエレンを呼び止めます。
「俺たちは5年前、壁を破壊して人類に攻撃を始めた。」
エレンとライナー、それとベルトルト以外は、3人が立ち止まっていることに気づかず、どんどん歩いて行きます。
ライナーは続けます。
「俺が鎧の巨人で、コイツが超大型巨人ってヤツだ。」
「は?何いってんだ、お前。」とエレン。
「なに言っているんだライナー。」ベルトルトが慌てます。
「エレン、お前が俺たちと一緒に来てくれるなら、俺たちはもう、壁を壊したりしなくていいんだ。わかるだろう?」
「は?いや待て、ぜんぜんわかんねぇぞ。」
エレンに故郷に一緒に来いというライナー。
「悪い話じゃ無いだろ?ひとまず危機が去るんだからな。」
「うーん、どうだろうな。」
「おーい、いくよー!」
アルミンが明るい声で3人を呼びます。
その手前で、何かに気づいたミカサが鋭い視線を投げています。
「まいったなぁ…昨日から、とっくに頭が限界なんだが…」
曇った空を見あげ、困惑するエレン。

進撃の巨人

12時間前、エルミハ区からウォールローゼへ向かう直前の調査兵団の中に、エレン、ミカサ、アルミン、サシャ、そしてリヴァイとハンジがいました。
サシャが上官から預かった書簡はアニ・レオンハートの身辺調査の結果でした。
書簡には、104期生の中にアニと同じ地域の出身者が2名いるとあります。
それは、ライナー・ブラウンとベルトルト・フーバー。
2人は先の壁外調査の際、間違った作戦計画書によってエレンが右翼側にいると知らされていた班でした。
女型の巨人も右翼側から現れたとアルミン。2人がアニに情報を流した可能性に言及します。
訓練兵時代の3人の関係性を知りたいとハンジ。
しかし、104期達の誰もが、ライナーとベルトルト達がアニと親しくしていたという印象は全く持っていませんでした。
ライナーはアルミン、ジャンと一緒に女型と戦ったとアルミンがハンジに告げます。
「僕も憶測でエレンが中央後方にいるんじゃ無いかと話していたけど…」
アルミンは思い出します。その憶測を何がきっかけで口にしたのか。
――じゃあ、エレンはどこにいるってんだ――
「エレンの場所を話したのは、ライナーにそのことを聞かれたからでした。」
ハンジがその場の全員に言います。
「ライナーとベルトルトを見つけても、こちらの疑いを悟られぬように振る舞え。
もちろん、アニ・レオンハートの存在には一切触れるな。
彼らがアニの共謀者であってもなくても、うまく誘導して地下深くに幽閉する必要がある。全員、わかったね。」

壁上で、エレンはライナーの肩を叩きながら言います。
「お前さあ、疲れてんだよ。」
「ああ、そうだよ。ライナーは疲れてるんだ。」とベルトルトが同調します。
「だいたいさ、お前が人類を殺しまくった鎧の巨人なら、なんでそんな相談をオレにしなくちゃなんねぇんだ。
そんなこと言われてオレが、はい、行きますってうなずくわけがねぇだろ?」
急に何かに気づいたように顔色を変えるライナー。
「そうか、その通りだよな…何を考えてるんだ俺は。
…本当におかしくなっちまったのか?」
風が吹いて、壁上の旗が一本、音を立てて落ちていきます。
壁上に走る緊張。
ハンジ、モブリット、サシャ、アルミン、ミカサ、もはや皆がライナー達の動向をうかがっています。
雲の切れ間から覗く光が、壁上の兵士達に伸びています。
「そうか、きっとここに長く居過ぎちまったんだな。
バカな奴らに囲まれて、3年も暮らしたせいだ。
俺たちはガキで、何一つ知らなかったんだよ。
こんな奴らが居るなんて知らずにいれば…
俺はこんな中途半端なクソ野郎にならずにすんだのに。」
剣のグリップを握るミカサ。
「もう、俺には、何が正しいのかわからん。
ただ、俺のすべきことは、自分のした行いや選択した結果に対して、戦士として最後まで責任を果たすことだ。」
ヒストリアのスカートで補った三角巾を腕から取るライナー。
腕からは水蒸気が立ち上っています。
ベルトルトが強い表情でライナーに問います。
「ライナー、やるんだな?今ここで!」
「ああ、勝負は今、ここで決める!!」
突如エレンの背後からミカサが現れ、ライナーとベルトルトを切りつけます。
腕を切り落とされたライナー、首を切られ勢い流血するベルトルト。
「エレン!逃げて!!」
しかし、ベルトルトにとどめを刺そうとするミカサはライナーにタックルされ、壁の側面まで追われます。
「エレン、逃げろッ!」
アルミン、ハンジ、サシャもエレンの元に走りますが、既にライナーとベルトルトの身体は光り始め、とても間に合いそうにありません。
稲光が頭上に光り、ついに巨人化する2人。
爆風の中を荷や人が散乱します。
エレンは鎧に掴まれ、長く伸びた超大型も風に飛びそうなユミルを掴みます。
訓練兵時代の頼もしいライナー、優しいベルトルトとの思い出が頭の中で蘇り、涙するエレン。
「この裏切りもんがーッ!!」
エレンは鎧の巨人の手に収まった状態のまま、自らの手を噛み巨人化して戦いを挑みます